純:この映画で大切な事ってなんですか、特にこだわった部分とか?
児:カッコイイものにしようというは心掛けましたね。
純:そういったものは、衣裳にも反映されてますよね。すごくカッコイイ。
児:カッコイイってカッコつける事ではなくて、
結果カッコイイというふうにしたいんです。
キメキメよりも設定に合ったバランス、世界観に合うように。
そのキャラが選びそうなモノ、つまりキャラ自身をあらわす衣裳ですね。
ワードローブをイメージし、そこを話し合う。
純:イメージをスタイリストさんに伝えて、上がってくるものに対して
摺り合わせていくという事ですか?
児:そうですね。
純:今回「M's collection」さんのご協力により、すごく高価なアクセサリーを
使わせてもらっていまして、急遽そのアクセを外すという演出を追加しましたね。
児:まあ、そうですね。ローバジェットだし、代用品を用意は出来ないし。
純:逆にそれもすごく良かったですよね、役者に相談とかしたりもしますか?
児:しますね。例えばこんなシチュエーションだったらどうしますか?と。
僕は全体を見ているけど、役者は僕よりみんなそれぞれ役の事は
よく考えているはずだから、自分より考えてなかったらムカツクんですよ。
もっと考えろよって。だから僕の役目は、調整する。
ある程度の外郭、最低限のアウトラインは分かってるし、
それを動かすのは役者であってそれは自分じゃ出来なくて、
それについては僕は自分の思い通りにはならないと思っているんです。
けど、方向性はあってそこに向ける作業をするために口八丁、手八丁で
誘導するという感じで。
僕の想いはダシですよね。その上に役者の素材、持ち物で味付けしていく。
純:脚本の台詞に対してはどうですか?かなり印象的なモノも少なくありませんが(笑)
児:そんなの言っちゃうんだぁみたいな?(笑)
本当はもっと膨大にあるんですよね、そんな言葉をそぎ落としていく。
言わなくていいことはどんどん削っていきセレクトしていく。
これ言わなきゃ分からないよなっていうギリギリなところでせめぎ合ってますね。